事業変革 直ぐに行動しよう

私が27年間の製造業勤務で経験し気づいた
変わらぬ者は生き残れない物語

今から約15年前に私が視た世の中の環境の変化に適応しない倒産劇です。

私が当時勤務していた会社が生産・販売していたのは自動車用オーディオの部品でした。

事業変革は今考えないと手遅れになる

その一つで信号ハーネスと言う物がありました。
当時で年間1,000万本以上は生産し出荷していたと思います。

家庭用テレビの信号ケーブルがありますよね。
あれに似ています。

黒い外皮を破ると、編線が露出します。
それを外皮側にくるっと折り返します。

内側には白い樹脂のポリチューブがありその中に一本の中心線が入っています。

その線は電気信号で言うと+になり、先程の編線は-となります。
そして最後に中心線をコネクタにカチッとカシメればケーブルの出来上がりです。

どうみても高付加価値製品とはいえません。
でも車にはその部品が絶対必要ですから、私が勤務していた会社では
全て外注加工にて制作してました。

外注先は14社ありました。
当時私もその中の数社を訪問した事があります。
父ちゃん 母ちゃんの小規模零細会社や
パートをさんを10人位雇っている会社等 様々でした。

年間1,000万本を規模に応じて安い加工費で
その14社に振り分けて造らせるのですね。

しかし世の中は変わり始めます。天安門事件を経て当時の
中国が変わり始めたのです。

中国沿岸部に外国資本を取り入れる発表したのです。
私が勤務していた会社もそれに即応し、中国広東省に工場を建設する
経営方針を出しました。

今では当り前ですが、1995年に中国政府承認、96年に生産を開始したのは
自動車部品業界では早い対応でした。

そこで何を生産するかが問題となります。
そうそれが冒頭に書きました、オーディオ用のハーネスです。

何せ人件費が当時日本の20分の1でしたから、労働集約的なハーネスは
恰好の対象品となります。

今まで国内の外注先に加工を100%発注していたのを
'96年から自前の中国の工場で内製する事にしたのです。

困ったのは、今まで外注加工先だった14社です。
徐々に発注を減らされる事になります。

外注先を呼んで方針説明会を開催しているのを
当時たまたま眺めた事があります。

そこには14社の社長さん達が腕組みをして、厳しい表情で
説明を聞いているのが目に入って来ました。

私が勤務していた会社はこの様に事前に
説明会で今後の方針を説明していたのでまだ紳士的と言えるでしょう。

聞いた話では、それさえ無く徐々に受注が少なくなり,
気づいた時にはゼロになり、理由を聞くと「海外工場へ移管」
または「海外調達に切替」と答えをする元請けもあるそうです。

確かにビジネスは、「良い物を安く買って高く売る」が基本ですから、
どこに発注しても自由です。

でも「徳」と言う言葉を考えた時、本当にそれで良いのでしょうか?
「売り先よし、仕入れ先よし 自分よし」の仕入れ先を
「徳」を持って扱った松下幸之助さんの様なリーダーは今の時代少ない様です。

中国工場稼働は'96年でした。
最初は新規に立ち上がる車のハーネスを   内製するのですね。
  だから直ぐに国内の外注さんへ 発注を減らす事はないです。

  最初は生産量も少ないです。   また車のモデルチェンジは4年毎です。
  ですから外注さんは4年間はさほど受注が 減少した感覚はないはずです。

 また自動車部品は業界のルールがあって 生産地を変える場合、事前届が必要です。  
場合により自動車メーカーの品質担当が監査に 来る場合もあります。

  ですから一般的に家電業界と比べてスピードは遅いです。
  しかし、そこが「落とし穴」なのですね。

  '96年に中国工場で内製したハーネスは
  曲線にすれば緩やかな右肩上がりでしたが  4年後の2000年に、
ガーンと右肩上りの   曲線を描きました。

  モデルチェンジの車が一気に外注さんから  内製に変わったのです。
  ですから2001年度の経営成績は、   ダントツに利益が出たのを覚えています。

  しかし そこからです。   外注さんの淘汰が始まりました。
  バタバタ廃業して行き、2010年までに  2社のみとなり
2013年には1社となりました。

  「中国工場に本格的に内製になるまで4年ある」  と思うか
「もう4年しかない」と思うのでは  その後の行動に大きな影響が出ますね。

  4年後を新たな事業変革の年と決断し、
  そこらか逆算して今日から何をやるか?

  今ある事業は永久には続きません。
  いつか「寿命」が来ます。  

常に時代の変化を読み取り、最悪の自体を 想定し事業に変革を起こすのが
  真の経営者なのです。

  ○今日の問い   あなたの事業の寿命はいつですか?  

今回もお読み頂きありがとうございます。  

○ご意見、ご質問受け付けています。

投稿者プロフィール

丸山一樹
丸山一樹
特定非営利活動法人 日本経営士協会 首都圏支部役員 経営士 丸山未来経営研究所 代表所長 ■ 主な執筆活動 「近代中小企業」(経営者向け専門誌) 「東洋経済オンラインニュース」 http://toyokeizai.net/articles/-/95664 ■ 経営者向け勉強会 決算書を読み解けず、会社のお金の流れにドンブリな経営者に「お金のブロックパズル」を使って視覚的に誰でも一瞬で理解出来る「脱★ドンブリ経営実践セミナー」を定期開催している。 ■経産省認定 経営革新等支援機関(関財金1第587号)