会社継続の切り札 下請法 「価格設定編」

親事業者からの「不当」な取引要求に悩まされていませんか?
「正当」なロジックで解決しましょう!

経営士の丸山が社長の意思決定を支援しあなたの会社の利益を守ります

社長は下請法を理解しましょう。

下請取引の公正化や下請事業者の利益保護を目的とした法律「下請法」があります。

これは、親事業者が守るべき行為を定めており、その行為が
守られていないと、行政が親事業者に対し法的措置をとることもある法律です。

この事を知っているのと、知らないのとでは経営に大きく影響します。
「利益」に直結する行為ですので、しっかり理論武装しましょう。

と言っても親事業者と「喧嘩」をする訳ではありません。
「正当」なロジックで、「ルール」を提示するだけです。

量産品価格=補給品価格は違反のおそれあり

自動車・家電業界でよくこの現象があります。

自動車・家電メーカーと一次取引先(Tier1)との関係では
補給品の価格設定や補給品打切りルールは最近しっかりして来ましたが、
2次、3次となるとそのルールが不明確で年に数回、
数十個の発注が急に来て、慌てて確認すると専用材料が無く数十個のために
キロ単位で材料を特急で仕入れ、その後注文の音沙汰無し。

そこで問題なのが、その価格が月間数千、数万個の生産量であった
「量産価格」と同じ事です。

これを親事業者から定められている場合、
下請法や独占禁止法に違反する恐れがあります。

この様な事例はありませんか?

①量産打切り後に補給品として発注されたのにもかかわらず

 量産時と同じ価格で価格設定されてませんか?

②補給品生産における製品ごとの行程、工数等を考慮せず、

発注者側の一方的な単価設定ルールによる契約がなされていませんか?

③補給品の発注の際に、給付内容等を記載した書面が発注者から交付されていますか?

これらを防ぐには、まず社長であるあなたが、
「量産が終了した補給品は、補給品価格で提供する」と決める事です。

具体的な対応方法

本ブログのテーマで一貫して書いているのはルールを「書面化」する事です。
この場合も同じです。

下請事業者は親事業者に、量産打切り時期を事前に通知させる事と
補給品価格を改めて設定する事を、見積書や契約書に明記する様にしましよう。

 

大量発注を前提とした単価設定

大量発注を前提とした見積りに基づいて取引単価を
設定したのにもかかわらず見積り時よりも少ない数量で
見積り時の予定単価で発注する事は下請法や独占禁止法に違反する恐れがあります。

この様な事例はありませんか?

①当初の大量発注を前提とした見積り時の数量から、

発注数が大幅に減ったにもかかわらず、見積り時の単価で発注されてませんか?

②見積り時に約束した発注ロット数を無視し、

発注者の都合でその都度の発注数が決められてませんか?

これらを防ぐには、まず社長であるあなたが、
「発注者の都合による取引条件変更で生じたコストを自社のみで負担しない」
と決める事です。

具体的な対応方法

この場合もルールを「書面化」する事ですね。

発注者側の納入見込み数が見積り時に比べて大幅に減少する際に
合理的な単価を再設定する事を見積書や契約書に明記する様にしましよう。

また発注者側との事前協議で発注ロット毎の単価を予め
見積書に記載すると「先に言えば説明」となります。

逆に想定を上回る数量が発注される場合もありますからね。

合理的な理由のない差値発注

合理的な説明をせずに、通常支払われる対価に比べ著しい
低い取引価格を不当に定めることは、
下請法や独占禁止法に違反する恐れがあります。

この様な事例はありませんか?

①発注者の事情のみをもって指値発注を要請されていませんか?

②発注者が不況時等の一時的な事情に対応し、指値発注に応じた後、

状況が改善しても単価が据え置かれていませんか?

③単価があいまいなまま発注され、製品納入後、見積価格を

大幅に下回る取引価格が定められていませんか?

④厳しい短納期で発注され、受注者に発生する費用増を考慮せずに、

取引価格が定められていませんか?

これらを防ぐには、まず社長であるあなたが、
「合理的な根拠をもとに取引価格を設定する」と決める事です。

具体的な対応方法

この場合もルールを「書面化」する事です。

不利な条件下で取引が行われないよう、取引条件に関するルールを
策定し、価格設定方法について発注者側と合意を事前にとっておくことが重要です。

受注者側は、変動費(原材料、外注加工等)の中身をデータで提示し
原材料価格やエネルギーコストのトレンド等の値上がりに伴う
コスト上昇を価格に転嫁し合理的な製品価格を設定する事で
不当な価格設定を防ぎましょう。

発注者が負担すべきコストの受注者負担

発注者の都合で取引条件が変更され、それに伴いコストの増加が
生じたにもかかわらず、受注者にそのコストを不当に負担させることは、
下請法や独占禁止法に違反するおそれがあります。

この様な事例はありませんか?

①発注者の都合により、一括納品から分割納品へ変更し、

製品の運賃負担が増加したにもかかわらず、

従来と同様の下請代金で納入していませんか?

②発注者が、発注時に決定した数量を下回る納品数量で発注を中断していませんか?

またその際に、その費用を受注者が負担していませんか?

これらを防ぐには、まず社長であるあなたが、
「発注者の都合による取引条件変更で生じたコストを自社のみで負担しない」
と決める事です。

具体的な対応方法

この場合もルールを「書面化」する事です。

①発注時の納入見込み数が見積り時に比べて大幅に減少する際に

合理的な単価を再設定する。

②発注者側の都合による設計・仕様・納期等の変更に対応し、

材料費、人件費等の追加費用を取引価格に反映する。

③発注者側が生産計画を変更し、予定数量に満たない数量を発注を

中断する際に生産準備に受注者が必要とした費用を発注者に負担させる。

①~③の想定されるケースを「見積書」または「契約書」に
予め記載して置く事が大切です。

「先に言えば説明」で「後で言えば言い訳」となり、
事象は同じでも相手との交渉で大きくスタンスが変わります。

「下請こけこみ寺」か価格の場合は「価格交渉サポート相談室」に相談しましょう。

投稿者プロフィール

丸山一樹
丸山一樹
特定非営利活動法人 日本経営士協会 首都圏支部役員 経営士 丸山未来経営研究所 代表所長 ■ 主な執筆活動 「近代中小企業」(経営者向け専門誌) 「東洋経済オンラインニュース」 http://toyokeizai.net/articles/-/95664 ■ 経営者向け勉強会 決算書を読み解けず、会社のお金の流れにドンブリな経営者に「お金のブロックパズル」を使って視覚的に誰でも一瞬で理解出来る「脱★ドンブリ経営実践セミナー」を定期開催している。 ■経産省認定 経営革新等支援機関(関財金1第587号)